セキュリティ · 2026年11月7日
中国系ハッカー集団、AIエージェント活用で14カ国超を標的とする大規模サイバー攻撃
中国に紐づくハッカー集団「VAPOR PANDA」が、大規模言語モデルとAIエージェントフレームワークを組み合わせて、世界中の組織を標的とするサイバースパイ活動を実施していたことが判明した。
この攻撃キャンペーンは2026年10月17日に開始され、わずか11日間で中南米、欧州、アジア、中東など少なくとも14カ国の外務省や主要機関を標的とした。被害を受けた組織は200以上におよび、米国の半導体、製薬、防衛関連企業やシンクタンク、各国の通信事業者が含まれている。
調査の結果、同集団は「ARTEX」フレームワークを用いて複数の標的を同時に攻撃し、意思決定が必要な場面でのみ人間が介入する手法を取っていた。さらに、AIエージェントのワークフローに、セキュリティ監視ソフトのセンサーが未導入のWindowsシステムを特定するよう指示を組み込むことで、検知を回避しようとしていた。
攻撃では、中東や中南米の組織に対して「BLOODALCHEMY」というバックドアが配布された。このバックドアは正規プログラムの名前を偽装し、悪意のあるDLLや設定ファイルを静かに読み込むことで動作していた。また、クラウドインスタンスのメタデータサービスや認証なしのオーケストレーションサービスの脆弱性を悪用し、コンテナのルート権限や管理者アカウントを奪取した事例も確認された。
専門家は、同様の被害を防ぐため、サービス資格情報や署名キーの定期的な更新、クラウドロールの権限最小化、そして内部サーバーを含む全環境へのEDRソリューションの徹底した導入を推奨している。